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Gastronomy03

山菜の楽しみを小野塚名人(ryugon支配人)が語る

ryugon支配人である小野塚敏之は、地元湯沢育ちで、子どもの頃から山と山菜に親しんできました。今ではすっかり山菜名人で、季節には「山菜採りツアー」も開催しています。今回は座談会で、山菜のあれこれや「山菜ベストナイン」、危ない山菜の話から、山菜の試食まで盛りだくさんの内容となりました。
聞き手は株式会社井仙代表の井口智裕です。

小野塚 みなさんこんばんは。ryugon支配人の小野塚です。今日は山菜の話にお越しいただきましてありがとうございます。早速ですが、山菜について、みなさんはどんなイメージを持っているでしょうか?まず、山菜ってなんでしょう?
例えば「野草」や「雑草」との違いは何か?と聞かれたらどう答えるでしょうか。

井口 うーん食べられるかどうかでしょうか?

小野塚 そうとも言えます。「山菜」とは私たち人間が勝手に食べられる山の草を「山菜」しているだけとも言えます。そして私たちが食べられると思っていない草も食べることができたり、逆食べるととんでもないことになる「毒草」というものもあるんですね。

食べられる、という意味では山菜の中には花も含まれます。食べられる花、ですね。みなさんご存知なところだとカンゾウ、またはすみれ、またはフジのようなニセアカシアの花も食べることができます。

「こごめ」と呼ばれる山菜、この辺の地域では昔から「こごみ」と言いますが、正式な名前は「クサソテツ」と言います。しかし誰もそんな名前は知らず「こごめ」「こごみ」として生活の中で採って、食べています。そんな食文化の中にあるものが「山菜」と言えるかもしれません。

春を告げる山菜、ふきのとうについてお話しします。ふきのとうは雪解けの頃、一番早くに登場する山菜ですが、皆さんどの時期のふきのとうを食べているでしょうか?一番多いのがつぼみの状態、雪から出てきたぷっくり丸いものを食べていると思います。しかし意外と知られていないんですが、そこから茎が伸びて、背が伸びたもの、も実はとても美味しいんです。伸びはじめは茎から先端まで、全て美味しく食べれますし、大分背が伸びても茎を美味しく食べることができます。いわゆる「ふき」の状態になると、皆さん茎のアクを抜いて、皮を剥いて、と手間をかけますよね。でも「ふき」になる前のふきのとうの茎なら、それらが不要で、そのままきゃらふきやふき味噌で食べることができますよ。

あと、実はふきのとうにはおしべとめしべがあるんです。おしべは花を咲かせて、めしべは綿毛を飛ばします。味はそれほどかわりないんですが、食べ比べをしてみると若干おしべの方が苦味があるみたいですね。

そろそろこの辺で試食してみましょう。最近私が「山菜採りツアー」で採ってきたものです。
—–試食タイムーーーー

ここで少し面白いものを紹介させてください。これは山菜を個性によって野球の選手に例えてみた記事です。誰からも愛されて安定感抜群の「ウド」はキャッチャー、といった具合です。私が好きな歯応えの良い「アブラコゴミ」はライトです。

山菜を楽しんだところで少し怖いお話しです。毒草について。残念ながら今年も新潟県内ですでに3件、誤食の被害が出ています。一番多いのはこちら。スイセンですね。ネギやニラと大変よく似ています。そして誤食の原因として多いのが実は「人からもらった」ということなんです。善意で家のネギやニラをあげたつもりが実は毒のあるスイセンだった、ということなんです。怖いですよね。
井口 これは本当によく似ていますね!
小野塚 そうなんです。本当に似ていますよね。みなさんも気をつけてください。このほかにも3大毒草というものがあります。トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギです。山菜の毒は本当に怖いです。毒キノコはジワジワですが、毒草は急速に症状が進みます。皆様ぜひ気をつけてください。

最後は少し怖いお話しでしたが、ちゃんとした知識を身につけて、ぜひ楽しい山菜ライフを送ってください。今日はありがとうございました!

雪国ガストロノミー

一年の半分近くも雪に閉ざされる越後湯沢。長い冬を越すための知恵は、「食」にも強く蓄えられ、今も息づいています。土の恵みである野菜類を、乾燥あるいは塩漬けにして保存する知恵。>雪の中で醸した酒、味噌、醤油などの発酵食品。一皿を通して、雪国ならでは暮らしや知恵に触れてみてください。

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