たとえば前菜は、雪景色のような木の皿に、里や山、川の恵みを置いて。冬、すべてを埋め尽くし、造形だけをやわらかに残す雪は、野菜を「雪室」の中で保存し、素材のうまみや甘みを凝縮させます。そして春になれば、その雪の下から山菜という恵みが生まれ、解けた大量の水は、里に下って魚沼コシヒカリを育みます。このように「雪」をひとつとっても、自然と食は深く関わっています。一皿の上に現しためぐる季節、その奥にある営みも一緒に、味わってください。
大橋洋食器
ディナーコースで料理をのせている皿は、新潟市中央区の大橋洋食器のものです。創業130年。長い年月を重ねて培った経験を元に、日本の伝統工芸、世界に発信できる技術や素材を組み合わせ、新しい時代に受け入られれる器をデザインしています。