>2022.09.02
雪国くらしの研究所

雪国暮らしの研究所オンラインイベント 8月「神楽南蛮を味わう!」からいすけ工房を取材しました

こんにちは!雪国暮らしの研究所の本田です。

雪国暮らしの研究所は、暮らしや食文化に隠された雪国の知恵を深掘りするイベントを毎月開催しています。

8月30日のテーマは「夏野菜 神楽南蛮を味わう」!ということで、魚沼の伝統野菜「神楽南蛮」を使った味噌「からいすけ」を特集しました。

ここからは、イベントレポートをお送りします。

<イベント動画は公式youtubeチャンネルをご覧くださいませ!>

 

からいすけは、「辛いから食べる時気をつけて」と意味の込められた、神楽南蛮味噌です。湯沢の畑から育った神楽南蛮で1から手作りされる人気のお土産です。

 

新潟のお土産といえば、お米やお酒、笹団子などが定番ですよね。

実は、新潟は夏野菜が豊富な地域でもあります。特に魚沼は、ミネラルたっぷりの雪解け水で野菜が甘く、みずみずしく育つんです。

夏に新潟へ来たなら、野菜をたくさん味わって、そしてお土産にもしてほしいと思います。

 

そんな思いで今回は、からいすけを作る田村さんの畑、そして工房へ取材へ行ってきました。

 

神楽南蛮って?

 

神楽南蛮は魚野川沿いの新潟県中越地域で栽培される伝統の唐辛子です。

西洋の唐辛子(鷹の爪)が家庭で一般的になる前から、魚沼で唐辛子といえば、神楽南蛮を育てていたそう。(これは初耳でした!)

 

なかなか県外では聞き慣れない名称ですが、上越地域や長野県北域では「牡丹胡椒」と呼ばれています。

 

神楽南蛮を育てるコツは?

 

神楽南蛮は、収穫すればするほどたくさん実を付ける豊作の野菜!しかしながら枝はとても細いので、自身の実の重みで折れてしまうことも。

ですので、田村さんたちは紐で枝を吊るして防いでいました。

「自分たちの重みを考えないで、どんどん実をつけちゃう野菜なんだ」と呆れつつ(笑)、大事に育てています。

 

また、収穫し続けると、植物の防衛本能で辛みがどんどん増すそうです。生命力を感じる野菜ですね…!

 

余談ですが、神楽南蛮のある畑は辛さが匂いから漂うので、猿や熊たちが寄り付かないそうです!

なので昔からこの辺の人たちは、神楽南蛮を畑の周囲に植えていたと言います。生活の知恵ですね。

 

毎年7月から緑の神楽南蛮が実をつけ始めて、お盆が明けて涼しくなると赤く熟してきます。

からいすけには緑と赤の両方を使います。

私たちも収穫させてもらいました。神楽南蛮はパプリカに近い見た目で、果皮が肉厚でつやつやしています。しかし、触った手からは唐辛子の匂いが。これは動物たちもたまりませんね。

 

暑い中収穫を体験させてもらい、続いて工房へ向かいました。


 

からいすけができるまで

 

神楽南蛮を丸ごとミンチする機械で粉々にしていきます。自然のままの辛味を生かすため、種もそのままたっぷり使います。

そばにいるだけでむせるような刺激が!

(田村さんたちは以前は包丁で刻んでいたそう…慣れてしまい、もう目も口も辛さを感じないそうです…!)

 

ミンチした神楽南蛮を味噌と撹拌(かくはん)させながら、3日間熟成させます。

お味噌は天然素材で手作りした甘めのこうじ味噌。このお味噌も1から手作りで、完成まで2年かかるそうです…!

畑から育てて、調理、瓶詰めまですべて手作業で行う田村さんたち。

 

そこには、地元湯沢への思いがあります。

 

「今の時代、儲けようと思えばいくらでもお土産は作れる。お金をかけて、土地の名を入れたラベルを貼ればお土産ができてしまう。

でも、それじゃあ面白くない。湯沢の野菜を使って、湯沢で手作りした、本当に美味しいもの。それをお客さんに届けないと、地元の料理屋として意味がない。だから手間をかける。」

 

そう熱く語ってくださいました。

 

丁寧に作られた湯沢のお土産、からいすけ。

 

からいすけには、若い神楽南蛮を使った緑と、熟した赤の2種類があります。

その魅力や食べ方の違いも、聞いてきました!

 

 

・緑は、野菜と食べるべし!

 

緑は、若い神楽南蛮のフレッシュな香りがあり、すっきりとした辛みです。

その辛みをより引き立たせるために、お味噌と一緒にお砂糖を加えています。

 

おすすめは、きゅうりにそのままつけたり、野菜のディップソースとして。

新潟の夏の食卓に並ぶ、ナス味噌(ナスを甘い味噌で和えたもの)もからいすけで作ればピリ辛なおつまみに変身します!

是非お試しください♪

 

・赤は唐辛子らしく、薬味にぴったり!

 

赤は熟した神楽南蛮が持つコクと刺激的な辛さが特徴です。

鍋ものの辛味噌としてや、餃子のラー油代わりなど、一味違う調味料として使うのがおすすめです。

 

ぜひ、毎日の食卓にからいすけを加えてみてはいかがでしょうか?

 

湯沢の神楽南蛮味噌「からいすけ」を食べるには?

 

からいすけや神楽南蛮は、現在むらんごっつぉやryugonのディナーでも使われています。

また、越後湯沢駅構内の「ムランゴッツォカフェ」ではピザやペンネにもからいすけを

 

からいすけはHATAGO井仙の売店「んまや」で販売しています。

 

また、んまやネットショップからのお買い求めいただけます。

新米もご予約受付中ですので、ぜひご一緒にいかがでしょうか?

 

んまやネットショップはこちらから

フリーダイヤル 0120-770-440

^