>2022.06.01
雪国くらしの研究所

【雪国暮らしの研究所】奥湯沢の目に良い温泉とは?

 

こんにちは!雪国暮らしの研究所チームの本田です。

自然とともに日々移り変わる雪国の暮らし。何気ない日々の一コマや、長年受け継がれてきた文化を、実際に生産者や地元のひとを訪ねて学んでいくチームです!

まだまだ知らない雪国を私たちと一緒に見つけてみませんか?

 

雪の残る山の中へ!目指すは歴史ある秘湯・貝掛温泉

 

今回は、湯沢の暮らしと切っても切り離せない「温泉」を訪ねました

越後湯沢から群馬、東京へと続く三国街道沿いに宿を構える貝掛温泉です。 

貝掛温泉は、「奥湯沢」とも呼ばれる三俣地区にあり、越後湯沢駅前からは車で20分ほどの山地に位置します。国道から、狭く急な坂道に入り、沢へ向かって降りていくと、ぽつんと佇む趣ある旅館に到着しました。

 

訪れたのは4月下旬。山肌に雪が残る涼しい季節です。貝掛温泉周辺は、湯沢の町中よりも気温が低く、ひんやりと感じました。

中では満開だった桜も、貝掛温泉ではまだ蕾。同じ町内とはいえこちらはさらに山深い「雪国」ですね…!

山に囲まれた貝掛温泉は、街道沿いから少し下った川沿いにあるため、車の走る音も無く一層静かな環境です。川の流れる音が大きく感じました。

 

お話を聞いたのは5代目当主の長谷川さん。

「長い谷の川」という苗字は、源泉が池から川に流れ、谷へと続く貝掛温泉を表しているそうです

貝掛温泉の旅館は長谷川家が代々営む1軒のみ。旅館が所蔵する室町時代の旅日記には、旅人が立ち寄る風呂屋として記されていました。

もともと越後湯沢は、江戸と越後を結び、古くから人の往来が盛んだった三国街道の中継地にあり、疲れを癒す湯治場として栄えました。街道沿いの貝掛温泉商人や詩人、僧侶など多くの湯治客が訪れていたのでしょう。

関越トンネルや上越新幹線が開通したことで、人の往来はぐんと減ってしまったそうですが、その状況が隠れた温泉地「秘湯」としての価値を高めていきました。

 

 

「目に良い温泉」楽しむススメ

 

貝掛温泉の泉質は、越後湯沢の町中とは大きく異なります。

無色で無臭のさらりとした質感は似ていますが、貝掛温泉は「目に良い」温泉。

地表から湧き出る天然の温泉は、ナトリウムやカルシウムを含む塩化物泉で、消毒する力があり、眼精疲労にもいいとされています。

目薬とよく似た成分が含まれることから、明治時代には、薬として販売されたこともあったそう。

現在でも、目の湯治のために数週間滞在する旅人もいるとか。

目に疲れを感じるわたしたち現代人に、今こそ必要とされる湯治かもしれません。

 

もうひとつの特徴としては、源泉37度と少々ぬるめであること。

長く浸かって、全身をじんわりと温めることができるので、温泉の効果を受けやすいと言えます

ぬる湯ならではの湯治法があると聞いたので、紹介しましょう

湯口から手のひらで湯をすくい、目を大きく開いて浸します。瞼を閉じたり開いたりを1~2分続けることで、温泉が目に浸透し、湯に含まれるメタホウ酸の力を直接、得ることができます。

  

 

奥湯沢の秘湯、貝掛温泉を訪ねてみませんか?

 

日常の喧騒から離れて、自然の中(の一軒宿)でゆっくり目を癒すことのできる隠れ家のような温泉。12時~14時までは日帰り利用もできるので、三国街道をドライブする途中に立ち寄ることもできます。

旅人が昔からしてきたように、温泉で疲れを癒してみてはいかがでしょう。

 

湯沢人の暮らしには温泉がかかせません。せっかくなら、町中の湯を試してみるのも、おすすめの旅の過ごし方です。

取材シリーズ、温泉編はまだまだ続きます!ぜひ、お楽しみに。

 


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